蓮の花に思う

 数日前のこと、太田市へ法務に向かう途中、蓮田を目にしました。休耕田に青い蓮の葉とピンクの花が一面に広がり、それは見事なものでした。早速、帰りに立ち寄り、携帯カメラでカシャカシャ撮ってみたのが、右の写真です。
 衣姿の私を見つけてなのでしょうか、車を止め、話しかけてこられた主婦の方がいました。
 
 蓮の花のほとんどがピンクなのに、右奥に高く一本だけ白い花が咲いておりました。何か意味があるのですかという質問でした。さらに、その方は昨年お父さんをなくされたそうで、生前にお父さんは、蓮の花の中にいる夢をよく見たというのです。
 
 仏教では、蓮の花は、泥田の中から清浄な花を咲かせることで、たびたび、「悟り」の象徴として語られます。中でも、「白蓮華」は、特に「悟り」を表す花として説かれることをお話させていただきました。目の前の白い蓮の花は、たまたま白の種が入っていたので白い花を咲かせたのでしょう。 でも、お父さんが、蓮の花の夢を見られたことは、素晴らしいこと。きっと今は仏様の国に行っておられることでしょうとお話し、その場を失礼しました。
 
 蓮の花は、仏事に関係することが多く、日本では、縁起の良い花とは思われてはいません。しかし、東南アジアの仏教国では、結婚式のお祝いの花として使われているようですし、日本に来ている中国人の留学生が、大学の恩師の誕生日に蓮の花を贈ったことを聞いています。
 仏教徒である私たちは、蓮の花に対する認識を新たにして良いのかもしれません。