一龍斎春水講談会
弘教寺に一龍斎春水師匠をお迎えするのは、今回で3回目となりました。
「中村久子伝」「塩原太助」に続く、「金子みすゞ伝」です。弘教寺仏教婦人会では、住職が早くから金子みすゞさんについて取り上げており、研修旅行でも皆で仙崎の地を訪ねるなどしていて、今回の講談会を楽しみにしておりました。昨年は、組仏婦総会で矢崎節夫先生のみすゞの講演もありましたので、関心も高く、ご門徒さんを初めとする、100人を越えるお客さんのお運びをいただき、熱演と感動のひとときとなりました。
「金子みすゞ伝」
「みんなちがって みんないい」・・・
「海のなかでは何万の 鰮のとむらいするだろう」・・・
春水さんと一緒に詩の一説が、客席からこぼれます。
足ぶみ
わらびみたよな雲が出て、
空には春が来ましたよ。
ひとりで青空みていたら、
ひとりで足ぶみしましたよ。
ひとりで足ぶみしていたら、
ひとりで笑えて来ましたよ。
ひとりで笑ってして居たら、
誰かが笑って来ましたよ。
からたち垣根が芽をふいて、
小径にも春が来ましたよ。
こころ、露、星とたんぽぽ・・・みすゞの詩を観衆に届ける春水さんが、まるでみすゞのよう。
その語りが、身の回りの何気ないものや小さないのちに向けるみすゞの深い思いと短くも精一杯の生涯をつむぎだしていきました。
登場人物の一人一人を性格までも見えるように演じ分ける春水さん。母の愛情に溢れた娘ふうちゃんとみすゞのやり取りは、観衆の心を打ち、大きな感動の拍手となって堂内に響き渡りました。
春水さんの語りによって、みすゞの肉声を聞くひとときでした。
「夫婦餅」
「幸助餅」ともいう古典講談。力士を贔屓にして仕事を顧みず落ちぶれてしまう幸助。妻の内助の功と力士の義理人情に救われ名物「夫婦餅」の店を繁盛させ、めでたしめでたし。
妻の夫を思う気持ちを自分のことのように感じて、心を動かされた方も多かったようです。
「夫婦餅」と「金子みすゞ伝」。バザーをはさんでの講演でした。
講談のおもしろさをじっくり味わうことができました。
12月6日(土)弘教寺仏壮仏婦報恩講では、再度、一龍斎春水さんに
ご登場願う予定です。みなさん、請うご期待!